tel.0972-62-3055
駐車場完備心臓から体の各器官へ動脈(血管)を通して血液が送られるわけですが、その際に血管壁に加わる圧のことを血圧と言います。この圧力が基準とされる数値よりも慢性的に高い状態にあると高血圧症と診断されます。
具体的には、収縮期血圧(最高血圧:心臓の収縮によって動脈に加わる圧が最も高い状態)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最低血圧:心臓が血液を取り込むべく拡張し、血圧が最も低い状態)が90mmHg以上の場合としています。
原因については、主に2つあるとされています。ひとつは原因が特定できないとされる本態性高血圧です。日本人の全高血圧症患者さまの9割程度の方が同タイプとされ、特定できないとされていますが、遺伝的要因や日頃の生活習慣(塩分の過剰摂取、過食、肥満、運動不足、喫煙、多量の飲酒、ストレス 等)が関係していると考えられています。もうひとつは、ほかの病気が引き金になって発症する二次性高血圧症です。原因疾患としては、腎実質性高血圧、腎血管性高血圧、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫などが挙げられます。
高血圧症であると診断されても自覚症状がみられることは、ほぼありません。したがって、そのまま放置する患者さまも少なくないです。ただ人によっては、動悸、息切れ、呼吸困難が現れることがあります。普段から血圧が高く、上記の症状があるという方は当院を一度ご受診ください。
なお慢性的に血圧が高いままであれば、常に強い負荷をかけて心臓から動脈へと血液を送らなければなりません。それによって血管はダメージを受け続け、動脈硬化を促進させることになります。これが血管内部の脆弱化を招き、さらに進行して血管狭窄や閉塞を引き起こせば、脳血管障害(脳梗塞 等)、心疾患(心筋梗塞、心不全、心肥大 等)、腎疾患(腎硬化症、腎不全)など重篤な合併症を引き起こすようになります。
上記のような怖い合併症を発症させる前に日頃から血圧を測定することを習慣づけ、数値の異常に気づいたら、自覚症状がなくとも一度ご受診ください。
治療の目的は、血圧を下げ、その数値をコントロールし、合併症のリスクを低減させることです。そのためには、まず生活習慣の見直しから始めます。具体的には、喫煙をされる方は禁煙、お酒を飲む方は節酒します。また食事面では減塩も大切で、味付けを工夫するなどして1日の塩分摂取量を7g未満にします。そのほか、カリウムを多く含む野菜や果物を摂取し、尿から塩分を排出するなどしていきます。また心臓の負担を減らすために肥満気味の方は、適正体重に近づけるように減量します。さらに運動は血圧を下げる効果があります。内容としては、無理のない軽度な有酸素運動(ジョギングなら30分程度)で効果が現れるようになりますが、できれば毎日行うようにしてください。
なお生活習慣の改善だけでは血圧がコントロールできない場合、薬物療法も併せて行っていきます。この場合は降圧薬として、ARB、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬などが用いられます。ちなみに服用薬は患者さまの血圧の状態によって、1種類で済むこともあれば、複数組み合わせることもあります。